報われたい

報われたい。

誰でも願うことではないだろうか。

そんな「報われたい」感情が“むくむく”と湧き上がってる………(だめだこりゃ)

私は説明が下手だ。

良いように見られたい、良い人だと思われたいが先行して緊張してると自分の考えや気持ちを伝えられない。

リラックスしてる時はもっとひどいかもしれない。緊張感がないから息を吐くようにデリカシーのない言葉を言うときがある。

最近仮配属でピカピカの一年目が我が部署にきている。

絵に描いたような“いいこ”で素直で吸収力も早く、挨拶もきちんと目を見て笑顔で言える素晴らしい女の子だ。

この子によく思われたいって、潜在的にきっと思ってるんだろう。

無意識に、ちょう自意識過剰な自分がたまにひょっこり空間に突如現れるのだ。

そんな私の痛々しいところをすっかりカバーしてくれる先輩を見ると尚更情けなく思う。4年目なのに、何も説明できない。うまくいかない。

だから帰り道、スタバに寄って帰って甘いキャラメルマキアートを期待して注文したけど、甘いのは表面だけだった。カフェインが少々はいった苦味のある液体が9割でしてやられた。騙された。商品名をキャラメルマキアート10%に変えてほしい。

スタバで無意味な1時間を過ごしてホームまで向かう間、不完全燃焼を感じながら心の中では「報われたい」そればかり考えていた。

1日降り続いた雨のせいで少し床が滑るホームで電車を待ち、昨日とは打って変わった爆弾低気圧を肌に感じながら半袖姿の男を見て思う。

「えーきょうめっちゃさむいやーん!」

私の出す言葉のイントネーションのルールに従えば、こんなコテコテな関西弁は絶対出てこない。でも頭の中では確かに

「えーきょうめっちゃさむいやーん!」が響いている。

まるで今日の不調がこの爆弾低気圧によるものだと自分に言い聞かせているようだった。

待合室にて

産婦人科に来ている。

私の目の前に座ってる女の子はちょっと前に流行ってた明日カノの主人公の女に似てる。多分本人もちょっと意識してそうな雰囲気がある。

ここは長い時間待たされることで名を馳せている産婦人科。番号札を渡されて待たされる。明日カノっぽい女の子(ユキもどき)は番号札を自分の顔に持っていって3枚くらい自撮りしていた。きっと誰かに送りつけるためだろう。公然の場でパシャパシャと音付きで3枚も自撮りできる大胆さを持ち合わせているユキもどきは、狭い待合室で向かい合って配置されてるソファーに深く坐り、足を伸ばしている。その伸ばした足の数ミリ先にきちんと足をそろえて座っていた妙齢の落ち着いた女性は不愉快だったのか、そっと私の隣に移動してきた。普通の反応だろう。

このユキもどき、私の存在に気づいてからチラチラとたまに見てくる。

能天気なタイプなので「私の顔が可愛いからかな」と受け取ってるけれど、何を感じて私の顔をチラチラ見てくるんだろうか。

受付のおばさんはきっと仕事ができない。シゴデキそうに見えるこれまた妙齢の眼鏡をかけたおばさんにとても注意を受けている。

「これ1回目じゃないよね?何回もしてるよ」

こういうちくりとした言葉を今のところ10回は軽く言われてる。

でも患者の方には笑顔を向けて接してるからすごい。私だったら顔引き攣って喉カラカラになって家で泣くまでの未来が見える。こんなに他人の前で貶されて、なぜ思いやりを持って他人に接せる?この人に、穏やかな優しい老後が訪れますように。帰り際はちゃんと「ありがとうございました」と目を見て言って帰るぞ。